188日目 強盗に遭う

<今日のあらすじ>
サマルカンド郊外で強盗に遭った。
左腕が折れ、カメラや財布等の荷物を奪われた。
一時帰国することにした。

<188日目 2012.11.02>
サマルカンド →(タクシーで移動)→ タシケント

 

 

 

 

 

18時頃、僕はサマルカンドから90kmの場所を自転車で走っていた。

道路の脇には畑が広がり、民家はまばらに見られる。

 

走っていた道路は片側2車線で、反対車線とは1mぐらいの壁で仕切られている。

車の通りは少なくない。

それなりに大きな道路だった。

 

日は暮れ、辺りはだいぶ暗くなってきた。

僕は野営する場所を探していた。

その時に事件は起こった。

 

・・・

 

前方にバス停のような、車が止まる場所があった。

そこに白い乗用車が1台停まった。

3人の男が出てきて、そのうちの1人がこっちを見ながら立っている。

 

今思えばかなり怪しい状況だが、その時は「ちょっと」怪しいなぐらいにしか思っていなかった。

ここで引き返していたらよかったのだが、似た状況にはよく遭遇するので、そのまま進んでしまった。

 

・・・

 

男に近づくと、男が僕の頭めがけて棒で殴りかかってきた。

僕はとっさに横に避け、その打撃をかわした。

そして、男たちは車で追いかけてきた。

 

反対車線に逃げたいが、1mの高さの壁で仕切られていて、反対車線には行けない。

道路脇の畑に逃げるのは、人目につかなくなるので危ない。

自転車じゃ逃げられそうにないので、自転車を置いて逃げることにした。

 

しかし、車はあっという間に自転車に追いつき、自転車の前に割り込んできた。

僕は逃げる前に棒で頭を殴られてしまい、しばらく立てなくなった。

頭を殴られて、足にきて立てなくなるなんて、本当にあるんだなぁ。

 

1人の男が棒で更に殴ってくる。

僕は腕で頭をガードし、ひたすら耐えた。

他の2人は荷物の物色に入った。

 

・・・

 

男の打撃が止み、僕は逃げ出そうとした。

しかし、急に自転車や荷物が惜しくなった。

やっぱり盗られるのを見過ごすなんて嫌だ!!

 

あほなことに、男を殴りに行ってしまった。

そのまま逃げればよかったんだけど・・・。

 

残念ながら足に力が入らず、僕は男のそばで倒れてしまった。

男はまた棒で殴り始めた。

ミスった!!!

 

・・・

 

しばらくして、また打撃が止む。

その時には立って歩けるぐらいになっていたので、僕はよろよろと立ち上がった。

男は猫みたく「しゃーーーー」と言って威嚇してきた。

こんな時だが、滑稽で笑ってしまった。

その男も殴り疲れたのかな。

男はもう何もしてこないと分かった。

 

そうだ、車のナンバーを見ておこう!

しかし、また残念なことに、眼鏡が吹っ飛んでいて車のナンバーが見えない。

男の顔もよく見えない。

終わった・・・。

 

・・・

 

僕は現場から少し離れ、反対車線を歩いていた人たちに助けを求めた。

その人たちと自転車の所に戻ってみることにした。

何か残ってるかな・・・。

 

・・・

 

自転車が残ってた!

他にも、結構たくさんの物が残っていた。

例えば、自転車、パソコン、隠してあった現金やクレジットカード、テント等。

すぐにでも旅を再開できるくらいの装備が残っていた。

 

デジタル一眼レフカメラやパスポート等を盗まれたのは痛いが、貴重品の大半が残っていたのは不幸中の幸い。

ちなみに、パスポートを含め荷物の一部は、後日警察が発見して届けてくれた。

 

・・・

 

その後、近くのカフェに連れて行ってもらった。

 

・・・

 

 

・・・

 

 

僕はタシケントに戻ることにした。

パスポートが無いので、日本大使館にも行かないと。

病院と警察にも行きたい。

 

僕がタシケントに行きたいと言うと、カフェにいたおじさんが車で送ってくれるという。

連れて行ってもらうことになった。

 

早速、車に荷物を載せる。

自転車は車のトランクに半分だけ突っ込んで持っていく。

半分出てるけど大丈夫かな。

 

・・・

 

さて出発!

定員が4~5名の車に、5人乗りこむ。

あれ、この人たちは?

 

どうやらこの車は、一般車だがタクシーも兼ねていたらしい。

ウズベキスタンでは、一般車が人を乗せて金を稼ぐことも普通だという。

 

それはいいが、途中で2人を下した後、それを埋めるために客引きするのはやめて欲しい・・・。

両腕から血が止まらないんだけど・・・。

早く出発して下さい・・・。

 

・・・

 

夜中0時頃にタシケントに到着。

 

まず日本大使館に行く。

こんな時間に領事を呼び出してしまった。。

そして、領事と一緒に病院へ行く。

 

診察の結果、左腕が折れていることが発覚。

警察もやって来たので、治療を受けながら警察の聴取も受ける。

 

治療を終え、国際キャッシュカードの停止の手続きをする。念のため。

その他パスポート再発行だのなんだのの手続きをしている内に朝になった。

 

・・・

 

警察の聴取を受けるため、これからしばらくタシケントに滞在する。

そして、聴取が終わったら、日本に一時帰国することにした。

 

滞在先については、タシケント駅に併設の宿(先日泊まった場所)にまた泊まることにした。

 

 

 

宿に到着後、泥のように眠った。

 

 

 

 

 

 

 

【走行距離】
本日:90km
累計:12,015km

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“188日目 強盗に遭う” への2件の返信

  1. 心中、お察し申し上げます。
    文章より大変な状況であったことが伺えます。
    なにより、命まで奪われなかったことが幸いです。
    お怪我をされたということですが、
    1日も早く快方に向かうことを心よりお祈り申し上げます。

    1. コメントありがとうございます。
      本当に、骨を一本折っただけで済んで不幸中の幸いです。
      ご心配おかけ致しました。

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