世界には短期の滞在でも罹患する恐れがある感染症・伝染病が存在し、後遺症が残るものや、早期に適切な治療を行わないと死に至るものまである。世界を旅する人は、感染の予防や感染後の重症化を防ぐために、予防接種を行うことが望ましい。
予防接種は基本的に健康保険の適用外であるため、ワクチンの接種料金は1回3,000円~14,000円と高額である。また、一種類のワクチンでも複数回の接種が必要なものもあり、必要なワクチンを全て接種するのに非常に時間がかかる。そのため、海外の様々な地域を旅しようと考えている人は、ワクチン接種の計画を早めに立て、予防接種を着実にこなしていく必要がある。
厚生労働省検疫所のWebサイト(後記「参考サイト」記載)によると、海外渡航のための日本国内で行われている一般的な予防接種として、破傷風、狂犬病、A型肝炎、B型肝炎、日本脳炎、ポリオ、黄熱、麻疹、ジフテリアの9つが挙げられている。渡航先を限定するなら全部を接種する必要は無いが、世界をいろいろと回るなら全部を接種する方が安心。
これら9種類に対するワクチンを接種するのに必要な期間を医師に伺った所、予防接種の種類にもよるが、1~2年程の効果を得るには1カ月必要で、更に長期の効果を得るには6カ月必要。接種間隔は東京検疫所のWebサイトが参考になる。医師の指示に従いつつ、その指示が正しいかを判断する目安にすればよいと思う。
参考までに、私の実施したワクチン接種の日程と料金について下記の表にまとめる。
接種日 | 感染症 | 接種回数 | 接種料金 |
---|---|---|---|
2011年5月7日 (接種開始日) |
A型肝炎 | 1回目 | 6,300円 |
B型肝炎 | 1回目 | 6,300円 | |
狂犬病 | 1回目 | 13,650円 | |
麻疹 | 2回目 (幼少時1回接種済) | 7,350円 | |
ポリオ | 3回目 (幼少時2回接種済) | 5,775円 | |
破傷風 | 5回目 (幼少時4回(第二期)接種済) | 3,150円 | |
2011年5月14日 (接種開始日の7日後) |
狂犬病 | 2回目 | 13,650円 |
2011年6月11日 (接種開始日の35日後) |
A型肝炎 | 2回目 | 6,300円 |
B型肝炎 | 2回目 | 6,300円 | |
狂犬病 | 3回目 | 13,650円 | |
2011年11月12日 (接種開始日の189日後) |
A型肝炎 | 3回目 | 6,300円 |
B型肝炎 | 3回目 | 6,300円 | |
2012年3月29日 (接種開始日の327日後) |
日本脳炎 | 6回目 (幼少時5回(第三期)接種済) | 6,720円 |
合計 | 101,745円 |
※ジフテリアは幼少期に接種済み(百日ぜき・ジフテリア・破傷風の三種混合)。20代前半くらいまでは免疫があること、東欧に長くはいないことから今回は接種しない。 ※黄熱が必要となる場合にはモロッコで接種する。 ※日本脳炎の接種が遅いのは、予防接種に通っていた病院では日本脳炎の接種を行っておらず、違う病院で接種するのを先延ばししていたため。 |
厚生労働省検疫所のWebサイトで予防接種を実施している医療機関を調べることができる。
厚生労働省検疫所
【記載内容】:感染症の種類、国・地域別の感染症情報、予防接種実施機関 等
東京検疫所
【記載内容】:予防接種、船舶等の検疫・衛生調査 等
Centers for Disease Control and Prevention(英語)
【記載内容】:感染症の種類、国・地域別の感染症情報、予防接種の副作用 等